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八十小路


 

*松のある風景
鎌倉の景観をつくりなしているものに松がある、あったという方が正確かもしれぬ 。そのせいか、ここには昔から名ある老松が多かった。ゆるぎの松、六本松、琴弾松、諏訪の松、弓立松などなど数えたてれぱきりがない。若宮大路の松並木を海岸へたどると、木洩れ陽の散らぱる道の彼方にぼっかり白く、低い砂山が見え、そのまた向うに海が、渡が眩しく光っていた。海岸に出ると、砂丘の後ろにつづく松林は防砂林だったのだろう一様にかしいで低く枝を伸していた。初夏の雨後など松の花粉が砂地に淡黄いろく不規則な模様や縞を描いた。町の背後を囲う山なみの尾根にも松が目立つ。細い山径に敷きつめたように枯松葉が積って、ともすれば足を取られる。それにしても、松の少くなったこの町のあっけらかんとした明るさは、却って佗しい。
赤煉瓦のガードをくぐって江ノ電が、若宮大路に濃く影を落す松並木に沿って、町役場前の小町終点までごとごとと走っていた頃の、どこがしっとりとした陰翳がたくさんあった時代が、ふとなつかしくなる。



鎌倉のなかの明治
その1「段葛」  その2「海岸への道」  その3「別荘」  その4「海のことなど」  その5「人力車 自転車」  その6「松のある風景」
鎌倉のなかの大正
その1「鎌倉劇場」  その2「白切符 青切符」  その3「鎌倉能楽堂」  その4「自動車」  その5「遊覧馬車」   その6「外人客」  その7「海浜博覧会」  その8「海軍さん」  その9「洋食屋」  その10「第二の変わり目」
鎌倉のなかの昭和
その1「提灯」  その2「めいた町」  その3「海から来る春」  その4「暗かったころ」  その5「市民座」  

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